環境庁通知について

 環境庁は、平成6年4月1日、自然保護局計画課長、国定公園課長名で各都道府県に対し、「産業廃棄物を処理するための施設については、国立、国定公園の風致に著しい影響を与えるものであるので、設置を認めない。」旨の通知(環自計第62−1号、環自国第152号)を通知しています。
 しかし、岐阜県においては約1年にわたって当該通知を保留したうえ、更に平成7年3月20日、「当該通知の周知期間を平成8年3月31日までとする」旨の通知を各県事務所に発しています。
 この種の国からの通知は、直ちに県から関係市町村など関係方面に伝達されるのが通例であリ、岐阜県の取扱いは他県の取扱い例からみても、著しく特異であり、妥当性を欠いたアンフェアな行政手続きとも考えられます。
 ちなみに、御嵩町では、環境庁通知が発せられる以前から「産業廃棄物処理施設の立地は不適切」とし、その理由の一つとして、「当該開発計画地域は国定公園に指定されており、環境保全が望まれる」ことを指摘していました。
 また、環境庁通知が発せられた当時、御嵩町では、時あたかも、町議会産業廃棄物処理場調査研究特別委員会での検討が行われていた最中であり、もし環境庁通知が直ちに県を経て、町に伝達されていれば、町議会特別委員会の検討や町の方針に重大な影響を及ぼしたとも考えられます。
 どのような理由で、環境庁通知の保留、及び周知期間の設定が行われたのか、ご回答下さい。

 産業廃棄物処理施設の建設に当たっては、事業者から計画段階で県事務所に事前相談があり、その後に各種の法的手続きを行うこととなっており、通常建設の着工に至るまで数年を要しますが、環壊庁通知当時(平成6年4月1日付け)、県下にはたまたま建設計画が進行中の案件が数件あり、法令上予定どおり計画が進められると考えていた事業者にとって、ある日突然に県の方針を変更することは、それが不可能となり、事業者の経済行為を著しく侵害することになりかねず、法的安定性を欠き、適当でないと考えたことによります。
 一般に、法令の改正に当たっても、その時点で進行している事業については一定期間の経過規定を設け、 猶予措置を講じるのが通例であり、今回のように課長通知で取扱いを変更するのであれば、法令改正の場合以上に配慮を加える必要があると考えております。
 このため突然の変更を避けつつ、環境庁通知の方針を円滑に実施するにはどうすべきかについて環壊庁とも協議しつつ、検討を行い、2年間の経過措置を設けたものであります。
 なお、当時この検討を行っていたことから、県としての方針が定まらない段階で環境庁通知を市町村に周知することは無用な混乱を招くと判断したところでありますが、今の時点で考えてみますと、県としては経過措置の取扱いについて検討中である旨をとりあえす周知しておいた方がよかったのではないかと考えております。
 自然公園内での廃棄物処理施設設置を原則禁止とした平成8年4月1日以後、同施設の設置許可申請又は届出はありませんが、もしあれば、県の林政部長通知(平成7年3月20日付け)に則り厳正に運用する方針であります。
 なお、一般的な指導方針として、県では、従前から自然公園内における開発行為についてはできる限り公園外で行うことが望ましいとの考えに立って指導を行っているところであり、廃棄物処理施設についても、事前の相談の段階で極力自然公園外に設置するよう指導してきたところであります。
 現在自然公園内に設置されている処理施設は、こうした指導にもかかわらず自然公園外に適地を求められず、止むを得ないと判断したものであり、審査方針に基づき、高さ、面積、色彩などの点を厳正に審査し、必要最小限の範囲内で許可等を行っております。

 廃棄物処理施設の建設に当たっては、事業者から計画段階で県事務所に事前相談があり、その後に各種の法的手続を行うこととなっており、通常、建設の着工に至るまで数年を要しますが、環境庁通知当時(平成6年4月1日付け)、県下にはたまたま建設計画が進行中の案件が数件あり、予定どおり計画が進められると考えていた事業者にとって、ある日突然に県の方針が変更されると建設不可能となり、事業者の経済行為が著しく侵害されることになり、適当でないと考えたことによります。一般に、法令の改正に当たっても、その時点で進行している事業については一定期間の経過規定を設け、猶予措置を講じるのが通例でありますので、環境庁とも協議した上で、県で検討を行った結果、平成7年3月20日猶予措置を講じることとし、平成8年4月1日から適用することとしたものであります。
なお、当時この検討を行っていたことから、県としての方針が定まらない段階で環境庁通知を市町村に周知することは無用な混乱をまねくと判断したところでありますが、今の時点で考えてみますと、県としては経過措置の取扱について検討中である旨をとりあえず周知しておいた方がよかったのではないかと考えております。


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 以上のように、今回は手続き関係のみの質問・回答となっていますので、これによって前回の疑問と懸念が解消されたわけではありません。

県からの回答と併せて岐阜県知事からコメントが寄せられました。