○御嵩町議会基本条例

平成31年3月18日

条例第4号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第5条)

第3章 町民と議会の関係(第6条―第8条)

第4章 町長等と議会の関係(第9条―第11条)

第5章 議会の合意形成(第12条)

第6章 適正な議会機能(第13条―第18条)

第7章 議員定数・議員報酬(第19条・第20条)

第8章 見直し手続(第21条)

附則

地方分権の進展により地域の独自性を活かしたまちづくりが求められる時代において、御嵩町議会(以下「議会」という。)は、御嵩町民(以下「町民」という。)にとって開かれた分かりやすい議会を目指し、平成23年8月に議会活性化研究会を組織し、町民の意思を町政に的確に反映するために、議会報告会や議会住民懇談会を開催し、議会改革に取り組んできた。

議会は、町長とともに町民の負託に応えるべく、二元代表制の下、論点及び争点を明確にした自由闊達かったつな討議をとおして、最良な意思決定を行う議事機関として活動することが求められている。

また、公正性及び透明性が確保された議会運営に努め、町民福祉の向上と地域社会の活力ある発展を目指して、課題の解決に当たらなければならない。

よって、議会及び議員の活動の指針並びに議会の最高規範として位置付け、町民の負託に全力で応えていくことを決意し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、町民に身近な議会及び議員が果たすべき基本的な事項を定めることにより、議会の役割を明確にするとともに、町民全体の福祉向上及び豊かなまちづくりに寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 町民の代表により構成されていることを常に自覚し、公正性及び透明性を重視し、町民に対して開かれた分かりやすい議会を目指すこと。

(2) 町民の多様な意見を的確に把握し、政策立案及び政策提言として町政に反映させるための議会運営に努めること。

(3) 議決責任を深く認識するとともに、重要な事項についての議案等を議決したときは、町民に対して説明すること。

(委員会の活動原則)

第3条 御嵩町議会委員会条例(昭和62年条例第15号)に規定する常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 委員会は、委員相互間の自由討議を中心とした運営に努めること。

(2) 委員会は、その所管事項の調査及び付託された議案等の審査を行った結果、必要があると認めるときは、所管事項の調査にあっては所見を、議案等の審査にあっては意見をそれぞれ付すること。

(3) 委員長は、副委員長と協議のうえ、委員会の秩序保持に努め、効率的な議事の整理を行い、委員会の事務をつかさどること。

(4) 委員長は、討議による合意形成に努め、委員長報告書を作成し、報告に当たっては、論点及び争点等を明確にすること。

(議員の活動原則)

第4条 議員は、次の各号に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 議員は、議会が合議制の機関であることを十分に認識し、議員間の自由な議論を積極的に行うこと。

(2) 議員は、町の諮問機関及び審議会の委員に就任したときは、審議の内容等を他の議員に報告すること。

(3) 議員は、町政の課題全般について、町民の意思を的確に把握するとともに、自らの能力を高める不断の研鑽により、町民の代表としてふさわしい活動をすること。

(4) 議員は、公正かつ誠実に職務を遂行し、町民全体の福祉の向上及び豊かなまちづくりの推進を目指して活動すること。

(議員研修の充実強化)

第5条 議会は、議員の政策形成能力及び立案能力の向上のため、議員研修の充実強化を図るとともに、この条例の理念を議員に浸透させなければならない。

2 議会は、広く各分野の専門家を招き、議員研修会を積極的に開催するものとする。

第3章 町民と議会の関係

(議員の政治倫理)

第6条 議員は、町民の代表者としてその倫理性を自覚するとともに、良心及び責任感を持って、議員の品位を保持し、見識を高めなければならない。

(町民参加及び町民との連携)

第7条 議会は、議会の活動に関する情報公開を行うとともに、町民に対する説明責任を十分果たさなければならない。

2 議会は、議案に対する各議員の表決の結果を公表しなければならない。

3 議会は、町民、町民団体等との意見交換会の場を設けるとともに、町民の声を積極的に聴取するよう努めなければならない。

4 議会は、町民からの請願及び陳情を政策提言として捉え、その審議においては、必要に応じて当該請願及び陳情をした者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。

5 議会は、議会住民懇談会を毎年開催することとし、町民の意見を議会運営の改善、政策提言等に反映させるよう努めなければならない。

(議会広報の充実)

第8条 議会は、次のとおり議会広報の充実に努めなければならない。

(1) 広報紙等を利用して、議会の活動について町民に対し、分かりやすく周知すること。

(2) 多様な広報手段を活用し、より多くの町民が議会及び町政に関心を持つよう議会広報活動を行うこと。

第4章 町長等と議会の関係

(町長等と議会、議員の関係)

第9条 町長及び説明者(以下「町長等」という。)と議会は、それぞれの機関の特性を活かすとともに、政策をめぐる論点及び争点を明確にし、緊張関係を保持しながら議会運営に努めなければならない。

2 議会審議において、議員及び町長等は、次の各号に掲げるところによる。

(1) 本会議での一般質問は、論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うことができる。

(2) 町長等は、議員の質問等に対して、本会議及び委員会において反問することができる。

(政策形成過程等)

第10条 議会は、町長が提案する重要な政策等の意思決定においては、その水準を高めるため、次に掲げる政策形成過程を論点として審議するものとする。

(1) 政策等を必要とする背景

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 町民参加の実施の有無及びその内容

(4) 御嵩町総合計画との整合性

(5) 財源措置

(6) 将来にわたる効果及び費用

(議決事件の追加)

第11条 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定に基づき、議決事件を追加する場合は、その理由及び根拠を明確にしなければならない。

第5章 議会の合意形成

(議会の合意形成)

第12条 議会は、議員による討論の場であることを認識し、議員相互の討議を中心とした運営に努めなければならない。

2 議会は、議員提出議案、町長提出議案及び請願並びに陳情等を審議し結論を出す場合には、議員相互の自由討議により議論を尽くして合意形成に努めるとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

第6章 適正な議会機能

(適正な議会費の確保)

第13条 議会は、議事機関としての機能を確保するとともにより円滑な議会運営を実現するため、必要な予算の確保に努めなければならない。

2 議会は、議会費の使途等を広報紙等により町民に公表するものとする。

(所信表明の機会)

第14条 議会を代表する議長及び副議長の選出については、その所信を表明する機会を設けるものとする。

(議会事務局の体制整備)

第15条 議会は、議員の資質の向上を図り、議会運営を円滑かつ効率的に進めるため、事務局の調査機能及び法務機能の充実強化並びに組織体制の整備を図るよう努めなければならない。

(議会図書室の充実)

第16条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実に努めるものとする。

(議会活性化研究会の設置)

第17条 議会は、不断の改革及び活性化に努め、町民の信頼を高めるため、別に定めるところにより議員で構成する議会活性化研究会を置く。

(災害時の対応)

第18条 議会は、町民の生命又は生活に直接影響を及ぼす災害等が発生した場合は、町民及び地域の状況を的確に把握するとともに、議会機能を的確に維持しなければならない。

2 前項に規定する災害等が発生した場合における議会の対応については、別に定める。

第7章 議員定数・議員報酬

(議員定数)

第19条 議員定数は、別に条例で定める。

2 議会は、議員定数を改正しようとするときは、議員定数の基準等明確な改正理由を示すものとする。

(議員報酬)

第20条 議員報酬は、別に条例で定める。

2 議員は、議員報酬を改定するに当たっては、町長が御嵩町特別職報酬等審議会(御嵩町特別職報酬等審議会条例(昭和44年条例第24号)第1条に規定するものをいう。)の答申を経て提案する場合を除き、明確な改定理由を示して提案するものとする。

第8章 見直し手続

(検証及び見直し手続)

第21条 議会は、必要に応じて、この条例の目的が達成されているかについて、検証を行うものとする。

2 議会は、前項の検証の結果、議会に関する条例等の改正が必要と認められる場合は、適切な措置を講ずるものとする。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

御嵩町議会基本条例

平成31年3月18日 条例第4号

(平成31年3月18日施行)